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竹田 武司; 中川 繁昭; 藤本 望; 橘 幸男; 伊与久 達夫
JAERI-Data/Code 2002-015, 39 Pages, 2002/07
HTTR(高温工学試験研究炉)は日本で初めての高温ガス炉(HTGR)であり、2001年12月7日に初めて全出力(30MW)を達成した。HTTRの出力上昇試験の中で、15MW,30MW運転から商用電源の手動遮断により商用電源喪失模擬試験を実施した。商用電源喪失直後、ヘリウム循環機及び加圧水ポンプはコーストダウンし、ヘリウム及び加圧水の流量はスクラム設定値まで減少した。原子炉を安全に停止するためには、制御棒の挿入により未臨界状態を維持するとともに炉心黒鉛構造物の過度なコールドショックを防止しながら、補助冷却設備により炉心を継続的に冷却する。商用電源喪失から約50秒後、非常用発電機からの給電により補助冷却設備は起動した。補助冷却設備の起動後、炉内黒鉛構造物である高温プレナムブロックの温度は継続的に低下した。本報は、15MW,30MW運転からの商用電源喪失模擬試験時の動的機器のシーケンス,原子炉及び原子炉冷却設備の過渡挙動について報告するものである。
高瀬 和之; 功刀 資彰; 柴田 光彦; 関 泰
日本原子力学会誌, 38(11), p.904 - 906, 1996/00
被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Nuclear Science & Technology)国際熱核融合実験炉のための安全性研究として、真空容器が破断した場合に生じる密度差駆動型置換流の挙動を、ITERのトカマク型真空容器を縮小簡略モデルで模擬したLOVA予備実験装置を使って調べている。実験パラメータは破断口位置、破断口径、破断口長さ等である。作動流体にはヘリウムガスと空気を使用した。本報は一連のLOVA予備実験で得られた結果の一例について報告しており、今までに次の成果が得られた。(1)置換量は真空容器設置面から破断口までのポテンシャルエネルギーの大きさに強く依存する。(2)真空容器上部に破断口が1ヵ所存在する場合の置換流は対向流となる。一方、真空容器側部に破断口が1ヵ所存在する場合の置換流は成層流になる。(3)置換量は破断口径の増大とともに増加し、破断口長さの増加とともに減少する。
安濃田 良成; 久木田 豊; 与能本 泰介; 浅香 英明; 中村 秀夫; 熊丸 博滋; T.J.Boucher*; M.G.Ortiz*; R.A.Shaw*; R.R.Schultz*
日本機械学会第72期通常総会講演会講演論文集,III, 0, p.413 - 414, 1995/00
原研は、米国NRCとの協定に基づき、受動安全機能を高めた次世代のPWRであるウェステングハウス社のAP600炉の工学的安全性に関する総合実験を、ROSA-V計画LSTF装置にAP600炉特有の機器を付加して実施している。これまでに、コールドレグ、均圧ライン、DVIラインの小破断LOCA及び全交流電源喪失や蒸気発生器伝熱管破断を原因とする異常な過渡変化に関する実験を合計10回実施した。これら全ての実験において、AP600炉の受動安全機器がほぼ想定どおり作動し、十分な炉心冷却が維持された。また、1次系圧力は大気圧付近まで自動的に減圧され、最終的にIRWSTから重力のみによる連続的な注水が行われた。その他、蓄圧注水系から1次系内に流入した窒素の影響や、直接接触凝縮による圧力変動が観察されたが、これらは系全体の挙動に大きな影響を与えるものではなかった。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 奥村 啓介
Transactions of the American Nuclear Society, 71, p.527 - 529, 1995/00
原研では、原子炉の運転保守のために質の高いマンパワーをできるだけ必要としない受動的安全炉概念JPSRの開発を進めている。本論文では、受動的余熱除去系の改良、均圧型受動的冷却材注入系のための炉心補給水タンクの機能についての解析、主冷却材循環ポンプとしてのキャンドポンプの慣性の決定のための解析、並びに、均圧型受動的冷却材注入系の現象論的理解のための実験について述べる。受動的余熱除去系は、一次系の余熱を一時大容量の水プールに蓄え、小容量の放熱系で除熱する方式とした。また、このプールを圧力抑制、格納容器空気冷却、常用系の冷熱源として供用する設計とした。また、大破断冷却材喪失時の炉心補給水タンクの機能、並びに、ポンプの慣性を十分小さくできることの確認を行うとともに、炉心補給水タンク周りの現象を明らかにした。
村尾 良夫; 新谷 文将; 岩村 公道; 奥村 啓介
10th Proc. of Nuclear Thermal Hydraulics, 0, p.3 - 12, 1994/00
原研では、原子炉の運転保守のために質の高いマンパワーをできるだけ必要としない受動的安全炉概念JPSRの開発を進めている。本論文では、受動的余熱除去系の改良、均圧型受動的冷却材注入系のための炉心補給水タンクの機能についての解析、主冷却材循環ポンプとしてのキャンドポンプの慣性の決定のための解析、並びに、均圧型受動的冷却材注入系の現象論的理解のための実験について述べる。受動的余熱除去系は、一次系の余熱を一時大容量の水プールに蓄え、小容量の放熱系で除熱する方式とした。また、このプールを圧力抑制、格納容器空気冷却、常用系の冷熱源として供用する設計とした。また、大破断冷却材喪失時の炉心補給水タンクの機能、並びに、ポンプの慣性を十分小さくできることの確認を行うとともに、炉心補給水タンク周りの現象を明らかにした。
丹沢 貞光
JAERI-M 93-011, 32 Pages, 1993/02
NSRR燃料照射実験における過渡データをデジタル化して保存することによりデータの消滅を防止すると共に、データバンクを作成してパーソナル・コンピュータにより過渡データに容易にアクセスできるようにすることを目的として、実験過渡記録処理システムの開発を行なった。本報告書では、実験過渡記録処理システムの概要及び使用方法、並びにデータ・バンクの現状について記載した。
安濃田 良成; 片山 二郎*; 久木田 豊; R.Mandl*
Power Plant Transients,1992; FED-Vol. 140, p.89 - 96, 1993/00
ROSA-IV/LSTF装置を用いて、全電源喪失時の2次系減圧操作に関する実験を行った。原子炉の全電源喪失事故は、極めて起こりにくい事故ではあるが、原子炉リスクを考えるうえで重要である。本事故シナリオでは、発電所外および所内の全ての動力用電源(非常用電源も含む)が使用不能であり、かつタービン駆動補助給水系が不作動であると仮定した。この様な事故がシビアアクシデントに拡大することを防止する手段として、2次系減圧操作の有効性について実験した。この操作は、給水ポンプ停止後も給水ラインに残留している未飽和水が減圧沸騰する際の体積膨張によって、蒸気発生器2次側に噴出する効果を利用するものである。実験では、この操作によって、1次系圧力が急低下し、加圧器内に保持されていた1次冷却材が減圧沸騰により押出され、炉心に移行した。その結果、炉心は冠水し、冷却が維持された。
藤城 俊夫; 丹沢 貞光
Nucl.Eng.Des., 73(3), p.253 - 263, 1983/00
被引用回数:1 パーセンタイル:21.73(Nuclear Science & Technology)反応度事故条件の下における軽水炉燃料のふるまいに対し、ギャップ熱伝達がどのように影響するかを、NSRR実験により調べた結果、およびその考察である。実験ではギャップガスとしてヘリウムおよびキセノンという熱伝導率の大きく異なるガスを用いた試験燃料を使い、両者の挙動を比較する事によってギャップ条件の影響を調べた。この結果、ギャップ熱伝達と被覆管温度挙動との関連が明確になり、また、ギャップガス成分の影響は燃料に与えられる発熱量によりその程度が異なること、および燃料破損しきい値にはギャップガス成分は殆んど影響しない事等が明らかになった。
星 蔦雄; 飛岡 利明; 岩村 公道; 黒柳 利之; 武田 常夫; 平野 見明
JAERI-M 6927, 79 Pages, 1977/02
本報告書は、軽水炉安全性研究の一環として、PCM事故研究の現状についての調査及び検討結果を纏めたものである。ここでは、動力炉安全評価におけるPCM事故の位置づけ、燃料破損クライテリア、現在までに得られた主要な研究成果、諸外国のPCM炉内実験計画等に関する現状調査を行ない、PCM研究の範囲や問題点を明白にした。そして、今後必要な炉内および炉外実験の研究課題の検討を行なった。